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桐山 博光
Recent Research Developments in Optics, Vol.3, p.155 - 171, 2003/12
チタンサファイアチャープパルス増幅(CPA)レーザーシステムの励起光源として2つのグリーンレーザーシステムの開発を行った。一つは高エネルギーグリーン光発生を目指したものであり、ペタワットクラスのチタンサファイアレーザーシステム構築のための要素技術開発として、CLBO結晶を用いた高エネルギーグリーンレーザーシステムの開発を行った。25-Jの高エネルギーグリーン光が74%の高い変換効率で得られた。もう一方は高繰り返しテラワットクラスのチタンサファイアレーザーシステムを実現するため半導体レーザー励起方式を用いたレーザーシステムであり、0.13-Jのグリーン光が1-kHzの高繰り返し動作で得られた。これらのレーザーシステムの実験結果の詳細について紹介するとともに、設計,スケール則などについて議論する。
岡 潔; 柴沼 清
JAERI-Tech 2003-004, 57 Pages, 2003/03
ITERプラズマ加熱装置の1つである中性子入射装置(NBI装置)において、負イオンを安定に発生させるためにセシウムが必要となる。しかし、NBI装置を長時間運転したあと、セシウムは電極の支持部分を絶縁する部分(碍子)に付着するため、碍子の絶縁抵抗値が低下し、運転の継続が困難となる。このため、一定期間ごとに碍子部分のセシウムを除去及び清掃する必要がある。NBI装置は、プラズマからの中性子照射によって放射化されるため、遠隔操作によるセシウム除去及び清掃を実施するためのシナリオとセシウム除去装置の検討が必要である。このような背景の下、本報告では、レーザーアブレーション法をセシウム除去に適用した場合の除去手順と、遠隔によるセシウム除去装置の概念設計について、その検討結果を報告するものである。
山岡 弘人*; 土屋 和之*; 阿波野 俊彦*; 岡 潔
石川島播磨技報, 42(5), p.260 - 264, 2002/09
国際熱核融合実験炉(ITER)の主要構造部材の交換保守のため、YAGレーザを用いた配管の遠隔切断・溶接システムの製作及びモックアップテストを実施した。製作したシステムはSUS316L, 100ASch40配管を内面からアクセスして切断後、そのままの開先に対して新規交換配管を芯合わせし、自動制御にて再溶接を行うものである。本稿では(1)平板等での予備試験結果、(2)得られた加工裕度範囲をもとに設計・製作したシステムの概要、(3)テストスタンドを利用した芯合せ結果及びモックアップによる加工試験結果について報告する。平板の溶接試験によりギャップ0.8mm、目違い2mmまでは継手として許容できることがわかり、要求寸法から切断面粗度を含めてこの範囲内までに芯合わせが可能であるよう保守ツールのモータ引付け駆動力を選定した。テストスタンドを利用した芯合わせ試験にて、要求寸法制約である配管ギャップ50mm、ずれ量10mmから上記裕度範囲内に芯合わせが可能であることがわかった。最終的にモックアップ試験により配管切断・芯合せ・再溶接の一連のプロセスを遠隔にて実施し、良好な再溶接継手が得られることを確認できた。
桐山 博光; 中野 文彦*; 山川 考一
Journal of the Optical Society of America B, 19(8), p.1857 - 1864, 2002/08
被引用回数:7 パーセンタイル:36.27(Optics)極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行っている。本波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、光軸を垂直に配置した2つの非線形光学結晶中を偏光の回転を利用して入射レーザー光が多数回通過できる新たに考案した多重パス構成矩象波長変換方式を採用している。CLBO結晶を用いた高出力第二高調波発生実験において、変換効率83%を得た。平均出力32.7Wの入射1064-nm Nd:YAGレーザー光に対して平均出力27.3Wの第二高調波出力が繰り返し率10Hzで得られた。
波多江 仰紀; 中塚 正大*; 吉田 英次*; 内藤 磨; 北村 繁; 佐久間 猛*; 濱野 隆*; 塚原 美光
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 4 Pages, 2002/00
誘導ブリルアン散乱(SBS)を用いた位相共役鏡を既存のYAGレーザトムソン散乱装置に応用し、同装置の測定性能の向上を図った。すなわち、YAGレーザ装置に位相共役鏡を組込み、レーザ増幅器で誘起される波面の乱れを補正しダブルパス増幅を行った結果、YAGレーザの性能は[エネルギー:1.7J,繰り返し:30Hz,平均出力:51W]から[4.1J,50Hz,205W]となり、レーザ性能を著しく向上することができた。一方、SBS位相共役鏡は一般の全反射鏡と異なり精密な光学調整を必要とせず、比較的簡単な位置合わせを行うだけで反射光が入射光と全く同じ光路を逆進する。この性質を利用し位相共役鏡をJT-60U 装置に取り付けることにより、プラズマ中でレーザ光を往復させ散乱光量を約2倍にする原理実証試験を行った。
大場 正規; 丸山 庸一郎
JAERI-Research 2001-040, 24 Pages, 2001/08
レーザーによる同位体分離の実現には、Uを励起,電離するために高い平均出力の波長可変レーザーが必要である。このような波長可変レーザーを実現するためには、それを駆動するポンプレーザーが不可欠である。これまで分離波長可変レーザーのポンプレーザーとして銅蒸気レーザーが有望視され、その技術開発が行われてきた。しかし、近年の半導体レーザーの高性能化による固体レーザーの性能向上により、ポンプレーザーとしての固体レーザーの利用が分離エネルギー低減の観点から有望であると考えられるようになった。原研では、このような性能を満足するポンプレーザーとして半導体レーザーでポンピングされるジグザグスラブレーザーを選定し、その開発を進めてきた。しかし、レーザー媒質が吸収する光のみを発生できる半導体レーザーを利用しても、その一部は熱に変化し、この結果、結晶内に応力が発生し、熱複屈折や熱レンズなどの効果が生じ、出力の減少や光の質の低下をもたらす。このような効果は繰り返し数や平均出力が高くなるほど大きくなるため、これらの効果の抑制あるいは制御が重要な課題となっている。このためモデルを用いて発振繰り返し数2~2.5kHzのNd:YAGレーザーの出力特性及び使用するレーザー結晶内の熱分布,熱歪み,復屈折効果などを計算した。この結果、最適設計を行うことにより、2kHz級の発振繰り返し数で、緑色光平均出力500W級のNd:YAGレーザーが実現可能であるとの見通しを得た。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
JAERI-Tech 2001-009, 41 Pages, 2001/03
固体表面上で起きる化学反応を原子・分子レベルで解析することを目的として、SPring-8表面アトムプロセス評価装置を設計・製作した。本装置の目的は、反応初期の固体表面及び吸着表面の原子配列の解析並びにこれらの表面原子の持つ電子状態を走査型トンネル顕微鏡(STM)及び原子間顕微鏡(AFM)を用いて超高真空中(UHV)において原子分解能で明らかにすることである。本報告は、SPring-8表面アトムプロセス評価装置の設計・製作に関する技術情報を詳細に述べる。
桐山 博光; 中野 文彦*; 山川 考一
Technical Digest on 4th Pacific Rim Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO/Pacific Rim 2001), p.II_150 - II_151, 2001/00
極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行っている。本波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、光軸を垂直に配置した2つの非線形光学結晶中を偏光の回転を利用して入射レーザー光が多数回通過できる新たに考案した多重パス構成矩象波長変換方式を採用している。CLBO結晶を用いた高出力第二高調波発生実験において、変換効率83%を得た。平均出力32.7Wの入射1064-nm Nd:YAGレーザー光に対して平均出力27.3Wの第二高調波光出力が繰り返し率10Hzで得られた。
桐山 博光; 中野 文彦*; 山川 考一
信学技報, 100(391), p.37 - 42, 2000/10
極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行っている。本波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、光軸を垂直に配置した2つの非線形光学結晶中を偏光の回転を利用して入射レーザー光が多数回通過できる新たに考案した4パス構成矩形波長変換方式を採用している。CLBO結晶を用いた高出力第二高調波発生実験において、変換効率83%を得た。平均出力32.7Wの入射1064-nm Nd:YAGレーザー光に対して平均出力23.3Wの第二高調波出力が繰り返し率10Hzで得られた。
桐山 博光; 松岡 伸一; 中野 文彦*; 山川 考一
Optical Review, 7(4), p.281 - 283, 2000/07
被引用回数:1 パーセンタイル:10.06(Optics)極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行っている。本波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、2つの非線形光学結晶の光軸を垂直に配置した矩象波長変換方式を採用している。本実験では、入射レーザー光に1064-nmNd:YAGレーザー光(繰り返し率: 10Hz)を用い、非線形光学結晶に大型結晶の育成が容易なタイプII位相整合のCLBO結晶を用いた。1064-nm入射レーザー光強度に対する532-nm第二高調波変換効率特性を取得した。比較のために入射レーザー光を1つの結晶に対して1回通過させた典型的な従来法を用いた変換効率も取得した。本波長変換方式を用いることにより、従来法よりも変換効率が向上し、この方式の有効性が示される結果となった。317MW/cmの入射レーザー光強度に対して70%の高い変換効率を得た。平均出力32.1Wの入射レーザー光に対して平均出力22.5Wの第二高調波光出力が得られた。
望月 孝晏*; 宮本 修治*; 天野 壮*; 井上 隆博*; 八束 充保*; 長谷川 信; 山崎 良雄
JNC TY9400 2000-008, 20 Pages, 2000/03
本報告書は、姫路工業大学と核燃料サイクル機構が、光陰極(フォトカソード)電子銃による高輝度電子ビームの研究に関して、共同で実施した研究成果をとりまとめたものである。本研究の目的は、光電子放出(フォトエミッション)型電子銃を用いて高品質電子ビームを発生するために、電子銃の特性とダイナミックスを計算機シミュレーションおよび実験研究により調べ、フォトエミッション型電子銃の応用の可能性を評価することである。電子ビーム品質の改善・高輝度化は、自由電子レーザー(Free Electron Laser:FEL)等の応用上、性能を決定する主要な項目で各種の方法が試みられている。レーザーフォトカソードを用いた電子銃は、短パルスレーザーによる制御性の増加も加えて、電子銃の大きな改善を可能とすると期待されている。フォトカソードを利用する電子源は、古くから利用されてきているが、近年の安定なモードロックレーザー技術の進歩により、高周波(RF)電子銃に安定に同期した発生が可能となり、新しい展開が開けている。本研究では、フォトエミッションをニードルカソード先端の高電界の元で行うことにより、フォトエミッションの量子効率の大幅な改善が行われることを、実験的に示し、それを用いたRF電子銃の計算機シミュレーションによるパラメーターサーベイを行った。
新田 秀行*; 小野 正博*
JNC TJ8420 2000-010, 171 Pages, 2000/03
表面汚染が主な放射性固体廃棄物に対して、高除染度の得られる可能性がある技術として、レーザークリーニング法、真空アーククリーニング法について、文献および特許調査を実施した。また、得られた情報に基づき具体的な適用例として集合型遠心機チェンバーの胴体部を除染するための装置の概念設計及び経済性評価を実施した。固体表面クリーニング技術(レーザー法、放電法)の現状調査では、公開文献、特許、その他の資料により技術調査を実施し、関連する文献をリストにまとめるとともに、技術データシートを作成した。また、クリーニングシステムを設計するために有用な情報を構成機器毎にまとめた。除染処理への検討例、適用例等の調査と評価では、固体表面クリーニング技術と同様、公開文献、特許、その他の資料により技術調査を実施し、関連する文献をリストにまとめるとともに、技術データシートを作成した。これら調査結果に基づき、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、真空アークそれぞれを用いた除染処理プロセス・装置概念設計を実施し、装置および処理プロセス概念の具体化をはかった。いずれの装置も回転リングを用いて除染対象物を回転させ、除染ヘッドを除染対象物の円周方向に走査することにより、除染速度が一定となるように設計した。本概念設計結果に基づき、各除染システムの経済性について比較評価した。
桐山 博光; 松岡 伸一; 丸山 庸一郎; 有澤 孝
Optics Communications, 174(5-6), p.499 - 502, 2000/02
被引用回数:6 パーセンタイル:34.69(Optics)極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行った。開発した波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、光軸を垂直に配置した2つの非線形光学結晶中を偏光の回転を利用して入射レーザー光が4回通過できる新たに考案した4パス構成矩像波長変換方式を採用している。入射レーザー光に1064-nmNd:YAGレーザー光(繰り返し率: 10Hz)を用い、非線形光学結晶にタイプII位相整合のKTP結晶を用いて実験を行った。本波長変換方式を用いることにより、従来法よりも変換効率が向上し、この方式の有効性が示される結果となった。76MW/cmの入射レーザー光強度に対して80%の高い変換効率を得た。パルスあたりのエネルギー607mJの入射レーザー光に対して486mJの第二高調波光出力が得られた。
丸山 庸一郎; 加藤 政明; 大場 正規
JAERI-Tech 98-018, 45 Pages, 1998/06
波長可変レーザーの励起光源として半導体レーザーで励起されるジグザグスラブタイプのNd:YAG結晶をレーザー発振媒質とした全固体グリーンレーザーを設計・試作した。レーザーは、固体レーザー発振器、1台の増幅器及び波長変換装置より構成される。発振器で発生する平均出力約9Wの基本波(1064nm)を増幅器で増幅することによって、平均出力33Wを得た。増幅後のレーザー光の波面歪みは約3波長、共振器ミラーに起因するデフォーカスを除いた高次の歪み量は約0.3波長、また、レーザービームの質を表すMは約1.5で回折限界に近いビーム質であった。その基本波を波長変換用結晶によって第二高調波(532nm)に変換することによって15.5Wの平均出力を得た。波長可変レーザーなどの励起に使用する第二高調波の波面歪みは少なく、高繰り返し条件下においても高い効率で高品質の第二高調波を発生できた。また、基本波を第三(355nm)、第四(266nm)高調波に変換し、それぞれ、平均出力15.5W,1.2W,2.3Wを得た。
伊藤 彰*; 岡 潔; 角舘 聡; 小原 建治郎; 田口 浩*; 多田 栄介; A.Tesini*; 柴沼 清; R.Haange*
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 2, p.921 - 924, 1998/00
原研では、ITER工学R&Dプログラムにしたがって、配管内アクセス型ブランケット冷却配管用溶接・切断ツール及び非破壊検査ツールの開発を実施している。各ツールにはITER特有の高耐放射線性及び曲がり配管内走行性が要求され、これらを満足するために、溶接・切断ツールには光ファイバを使用したYAGレーザー伝送、また非破壊検査ツールには電磁超音波探触子(EMAT)をそれぞれ適用している。現在までに、製作したそれぞれのツールを使用した配管内での動作・位置決め性能実証試験を実施し、その性能を確認することができた。また、非破壊検査ツール用に耐放射線性超音波探触子(UT)及びリークディテクタの試験も併せて開始した。本発表は現在までに行ったツール設計の概略並びに溶接・切断ツール及び非破壊検査ツールの試験結果について報告するものである。
丸山 庸一郎; 加藤 政明; 原山 清香; 大場 正規
JAERI-Tech 97-018, 17 Pages, 1997/03
全固体の高繰り返し波長可変レーザーは、高平均出力、高エネルギーなどの特長を有し、レーザー同位体分離などへの利用が期待される。このため半導体励起Nd:YAGレーザーでポンピングされる繰り返し数1kHzの波長可変チタンサファイアレーザーを試作し、発振特性を測定した。Nb:YAGレーザーの基本波をKTP結晶によってグリーン光に変換し、チタンサファイアレーザーのポンピングに用いた。この結果、20Wの入力で平均出力1.6Wの波長可変レーザー光を得た。この時のエネルギー抽出効率は、約12%であった。
丸山 庸一郎; 大場 正規; 加藤 政明; 有澤 孝
OSA TOPS on Advanced Solid-State Lasers 1996, 1, p.369 - 372, 1996/00
半導体レーザーで励起される発振器と増幅器及び波長変換装置より構成されるNd:YAGグリーンレーザシステムを試作し、その発振特性を測定した。この結果、発振繰り返し数1kHzで、基本波最大平均出力43Wを、第二高調波最大平均出力19Wを得た。またこの時のレーザー光の発振モードは回折限界に近いM~1.5であった。
丸山 庸一郎; 加藤 政明; 大場 正規; 有澤 孝
Japanese Journal of Applied Physics, 34(8B), p.L1045 - L1047, 1995/08
被引用回数:3 パーセンタイル:51.46(Physics, Applied)パルス幅250nsの高繰り返しNd:YAGレーザーによって色素レーザー発振と増幅器をポンピングし、発振特性を測定した。この結果、色素ジェットを用いたレーザー発振器で、波長幅約20MHzの狭帯域レーザー光を発生させることができた。また同じ色素ジェットを用いて増幅器では、エネルギー変換効率20%を達成した。
福井 康太; 根本 正信; 谷本 健一; 照沼 誠一
PNC TN9410 95-041, 171 Pages, 1994/12
物質表面にレーザー光線を照射すると、表面物質を急速加熱し蒸散させることができる。この現象を用いると、放射性廃棄物の表面汚染層の除去、つまり除染技術への適用が可能である。従って、レーザー光による除染技術の開発を目的に、レーザー除染法に関する調査と、レーザーによる金属表面の除去試験を行い、デコミッショニングへの適用性を検討した。調査及び基礎試験の結果、次の結論を得た。(1)レーザー除染法に関する調査YAGレーザーやエキシマレーザーによる金属、コンクリート等の表面層除去に関する研究例がある。レーザー除染の対象物としては、炉内構造物、生体遮蔽壁、廃棄物貯蔵容器等が考えられる。(2)レーザーによる金属表面の除去試験ステンレス鋼試験片にパルスYAGレーザービームを線状集光し照射試験を行った。これによりHe雰囲気条件において、平均除去深さは照射レーザーエネルギー密度と照射パルス数の積に対しほぼ線型に増大することが明らかになった。レーザーエネルギー400mJ、試験片送り速度0.25mm/sの条件で、1m以上の除去深さが得られた。生成物の回収に関しては、開放型の極く簡便な吸引装置を用いても65%程度の捕集率が得られた。(3)今後の課題模擬試験片による表面除去特性評価、除去表面の健全性評価、大面積処理技術や生成物回収技術等に関する検討等を行い、除染技術への適用性について評価する必要がある。
長谷 文昌; 青瀬 晋一; 菅沼 隆; 岡本 文敏; 富樫 昭夫
PNC TN8420 93-014, 25 Pages, 1993/08
ホットセル内における分析作業の迅速化、省力化及び廃棄物の低減化を図るために、固体試料を溶解等の前処理操作を行わずに直接分析する技術として、レーザアブレーション法を試料導入系に用いたICP発光分光分析装置の開発を進めている。この分析法は、固体試料表面にレーザ光を照射し、試料をエアロゾルとして固体から脱離放出させ、これをICPに導入して目的元素の発光強度を測定する分析法である。分析対象としては、ガラス固化体、不溶解性残さ及びハル付着物等の固体試料分析に適用する予定である。 本技術資料は、ホットセル内用のレーザアブレーション-ICP発光分光分析装置を今後、効率的に開発するため、装置の構成条件及び分析条件(レーザ出力、キャリアガス流量等)について文献調査を行った結果を纏めたものである。